「ありがとう」が言えなかった、たった一言なのに...
社会人として働くなかで、疲れや職場のストレスで「自分らしく振る舞えなかった」と感じたことはありませんか?
ある日、仕事帰りにいつものコンビニでお弁当を買いました。商品を受け取る瞬間、いつもなら自然に出る「ありがとう。」という一言が、止まってしまったんです。
それは、たかが一言。でも、自分でも気づかなかった“心の疲れ”が、そこにあらわれてました。
画像引用:O-DAN
心理的リアクタンス──「自由を奪われた」と感じたときの反応
この感情には名前があります。心理学では「心理的リアクタンス」と呼ばれてます。
心理的リアクタンスとは、「自分の自由が脅かされた」と感じたときに生じる心の反発のこと。
たとえば:
- 上司から強い口調で指示される
- SNSで「こうあるべき」と押しつけられると、逆に反発したくなる
- 無愛想な接客をされると、「こっちも感じよくする必要ある?」と思ってしまう
これらはすべて、「反応の自由」が侵害されたときに起こる、無意識の防衛反応なんです。
自尊心を守りたい──あなたが悪いわけじゃない
「ありがとう」が言えなかった自分を、責める必要はありません。
そんなとき、人は無意識に自分の価値を守ろうとします。
私の場合も、コンビニでのちょっとした冷たさが、「今の自分にこれ以上ダメージを受けたくない」という心のブレーキを引かせたんだと思います。
「反発心とうまく付き合う」3つのコツ

社会人として生きていく中で、私たちはしばしば「リアクタンス」に襲われます。でも、そのたびに感情に流されていたら、疲れてしまいますよね。
そこで、自分を守りながら、日々を少しラクに過ごすための方法を紹介します。
- 自分の感情をラベリングする
「今、自分は反発しているな」と気づくだけで、冷静さを取り戻せます。自分の心の動きにラベルを貼ることで、感情に飲まれずにすみます。 - 相手も疲れているかもしれないと想像してみる
無愛想な店員も、もしかしたら過酷な労働環境で疲れているのかもしれません。そう思えたとき、不思議と自分の気持ちもやわらぎます。 - 「どう振る舞いたいか」を自分で選ぶ
感謝の言葉は、相手のためであると同時に「自分の美学」の表現でもあります。相手がどうであれ、自分の信じるふるまいを選ぶ──それが、本当の自由です。
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終わりに:職場に疲れたあなたへ、小さなリセットを
社会人生活では、理不尽なことや報われない努力に傷つくことも多いですよね。でも、そんな日々の中でも「自分らしさ」を大切にできる場面は、意外と身近にあります。
たとえば、「ありがとう」を選べる自分でいること。
それは、誰かのためではなく、自分の心を整える小さなリセットになるんです。
だからこそ、次に同じ場面に出会ったら、きっとこう言えるでしょう。
「ありがとうございました」と、穏やかに。