「上司の顔色をうかがうだけで疲れる」
「報告するだけで緊張する」
「イライラが自分に向くのが怖い」
こうした状況に心当たりがある人は、心理的ストレスにさらされている状態かもしれません。
この記事では、「イライラする上司とどう距離を取ればいいか」を解説し、
自分の心を守るセルフケア術を紹介します。
【前提】その疲れは「自分の性格のせい」ではない
人間関係に悩んでいると、つい「自分が気にしすぎなんじゃ…」と思ってしまいがち。ですが、
🔍 心理学では、“慢性的なストレス環境”にいると、誰でも敏感になりやすいとされています。
つまりあなたが感じているストレスは「心が正常に反応している証拠」です。
画像引用:O-DAN
1.上司の感情は“自分の責任”ではないと線引きする
心理学では「パーソナル・バウンダリー(心の境界線)」という考え方があります。
上司の怒り → 上司の課題
自分の業務 → 自分の課題
というふうに切り分けて考えるだけでも、心の負担は軽くなります。
2.心の“防衛フィルター”を持つ(感情のバリア)
相手の感情に巻き込まれやすい人は、「共感力」が高い人です。
でもそれが自分を苦しめてしまうときは、あえて“無関心”を装うことも立派なセルフケアになります。
3.コミュニケーションは「論理モード」に切り替える
感情的な人とのやり取りでは、自分は「感情」ではなく「論理」をベースに話すと疲れません。
主語を「私」から「業務」にする(例:「私は〜と思います」→「この業務は〜です」)
曖昧な表現より、事実だけ伝える(例:「たぶん」ではなく「◯時に完了予定です」)
4.タイミング調整で「接触頻度」を下げる
心理学の研究では、ストレス源との接触頻度を下げるだけで、脳の疲労が軽減されることが分かっています。
話しかけるタイミングを選ぶ
チャットやメールで済ませられる部分はそちらに回す
5.“よい人”を演じすぎない(偽りの自己の解除)
イライラする上司の前では「怒らせないように…」と自分を抑えてしまいがちですが、
それは“偽りの自己(false self)”を作り続けることになり、長期的には自己喪失につながります。
6.境界線を保つ:NOを言う勇気も“セルフケア”の一つ
心理学者バーネットは、「自己主張(アサーション)は健康な自己概念を守る方法」としています。
無理な要求は「現実ベース」で断る
感情的にならず、事実と選択肢を伝える
例:「その業務は今は対応が難しいです。◯日以降であれば可能です」
7.モヤモヤは“外在化”して解毒する
心理療法でも活用される「エクスプレッシブ・ライティング(感情を書き出す)」は、
ストレスを可視化し、自己調整力を高める効果があります。
日記やスマホのメモに書き出す
書いたら読み返さなくてもOK(書く行為そのものに意味がある)
おわりに|心の安全距離を保つことは“逃げ”ではなく“戦略”
あなたが感じている不安やストレスは、「甘え」でも「弱さ」でもありません。
むしろ、“自分を守る力”が働いている証拠です。
心理学では、「自分の内側を守る意識が高い人ほど、長く安定して働ける」とされてます。
あなた自身を責めず、日々の小さなセルフケアを続けてくださいね。