「どうせ自分にはできない」「挑戦しても失敗するに違いない」──そんな思い込みに縛られて、新しい一歩を踏み出せずにいる社会人は少なくありません。今回の記事では、心理学でいう“自己効力感”の低さが生み出す悪循環に注目し、その解消法を探ります。
自己効力感とは何か?
自己効力感とは、心理学者バンデューラが提唱した「自分ならできる」という感覚のことです。単なる自信とは少し違い、行動に移す力を左右する“心理的エンジン”ともいえます。
これが低いと、まだ挑戦していないのに「無理だ」と結論を出してしまい、行動の機会を自ら閉ざしてしまいます。
「できない」という思い込みが生む悪循環
自己効力感が低い人は、以下のようなパターンに陥りがちです。
- 失敗体験を必要以上に引きずる
- 周囲と比較して自分を過小評価する
- チャレンジ前に諦める → 経験値が増えない → ますます「できない」という思い込みが強まる
つまり、自己効力感の低さは「挑戦しない → 成功体験が積めない → さらに自信がなくなる」という負のスパイラルをつくり出すのです。
自己効力感を高めるための心理マネジメント術
1.小さな成功体験を積み重ねる
大きな挑戦より、日常の小さな達成を意識することが重要です。例えば「メールを期限内に送る」「朝の散歩を続ける」など、すぐにできることを達成することで「自分にもできる」という感覚を取り戻せます。
2.自分の成長を“比較対象”で測らない
他人と比べる代わりに、昨日の自分・1年前の自分と比べてください。「少しでも進んだ」と認識できると、自信の芽が育ちます。
3.心理的セルフトークを整える
「無理」「ダメだ」ではなく、「とりあえずやってみよう」「一歩進めれば十分」と自分に声をかける習慣を持つだけで、行動ハードルが下がります。
まとめ
「自分にはできない」という思い込みは、実際の能力の問題ではなく“心のクセ”にすぎません。心理マネジメントによって自己効力感を少しずつ高めれば、新しい挑戦に踏み出す力を取り戻せます。
「小さな成功を積む」「比較の物差しを変える」「セルフトークを整える」──この3つを意識して、自分の可能性を閉ざしていた思い込みから自由になってみませんか。
画像引用:O-DAN