【心理マネジメント】「自己理解の浅さ→「自分は何をしたいのか」「どんな性格なのか」が曖昧で迷いやすい。」

社会人になってから「自分が本当にやりたいことがわからない」「性格診断をしてもピンとこない」と感じたことはありますよね?
それは、あなたの“能力”の問題ではなく、「自己理解の深さ」に関係しています。

■ 自己理解が浅い人ほど「迷いの森」に入りやすい

人は、自己理解が浅いと「何を選ぶべきか」「どう行動すればいいか」がわからなくなり、常に迷いやすくなります。
たとえば──

  • 転職してもすぐに違和感を覚える
  • 他人の意見に流されてしまう
  • SNSで他人の成功を見て焦る

こうした状態は、「自分が何を大事にしたいか」という“価値観の軸”が定まっていないために起こります。
心理学的にいえば、自己概念(self-concept)がまだ曖昧な状態です。

■ なぜ、自己理解は浅くなりやすいのか?

現代社会では、SNSや情報があふれ、他人と自分を比べる機会が格段に増えました。
結果、「自分を見つめる時間」よりも「他人を眺める時間」が長くなり、無意識のうちに“他者基準”で生きてしまいます。

たとえば、「みんな転職してるから自分も」「流行っている職業だから」という理由で行動すると、表面的な選択を繰り返してしまいます。
本来の「自分の価値観」や「性格傾向」を置き去りにしてしまうわけです。

■ 自己理解を深める3つの心理マネジメント術

ここで、今日から実践できる“自己理解を深めるための心理マネジメント術”を紹介します。

① 「なぜそう感じたか」を言語化する

日々の出来事で「嫌だ」「楽しい」と感じた瞬間に、“なぜそう思ったのか”を言葉にしてみましょう。
感情の背景には、あなたの価値観や欲求が隠れています。
(例)「人に感謝されたら嬉しかった → 承認されたい」「一人の時間が落ち着く → 内向的で感情を整理するタイプ」

② 過去の選択を“自分の意思”で振り返る

過去の分岐点(進学・就職・恋愛など)で、「なぜその選択をしたのか?」を掘り下げると、自分の行動パターンが見えてきます。
たとえば「安定を選んだ」「挑戦を選んだ」など、無意識の“人生テーマ”が浮かび上がってくるでしょう。

③ 自分の「内的モチベーション」を書き出す

外的要因(お金・地位・評価)ではなく、「やっていて満たされる感覚」を探してみてください。
心理学者デシとライアンの自己決定理論では、人は「自律性・有能感・関係性」の3つが満たされるとき、最も内的動機が高まるとされています。

■ 迷いは「成長のサイン」

自己理解が浅いと感じることは、決して悪いことではありません。
むしろ、それは「自分をもっと知ろうとしている証拠」です。

焦る必要はありません。
心理マネジメントとは、感情や行動の“仕組み”を理解し、自分の心を少しずつ整えていくプロセス。
今日紹介した3つのステップを繰り返すことで、「自分という地図」が少しずつ描けるようになります。

■ 最後に──迷いの時期こそ、自己理解のチャンス

もし今、「このままでいいのか」と悩んでいるなら、それは心が変化を求めているサインです。
自分を知る旅は、他人と比べる旅ではなく、「内面を見つめ直す勇気」から始まります。

あなたが少しでも“自分の軸”を取り戻せるように、心理マネジメントの視点からこれからもサポートしていきます。
この記事が、心の整理のヒントになれば幸いです。

画像引用:O-DAN