「気づけば“未来の不安”や“過去の後悔”ばかり考えてしまい、心が休まらない……」そんな悩みを抱えている社会人は少なくありません。今回は【マインドフルネスの欠如】がもたらす心の疲労について、心理マネジメントの視点から考えていきます。
■ なぜ「今ここ」に集中できないのか?
私たちの脳は、本来“未来を予測する力”を持ってます。これは人類が生き延びるための重要な機能ですけど、現代の職場や日常生活では「過剰なシミュレーション」となって、常に不安を作り出してしまいます。
一方で、過去の出来事に囚われることも同じくらい心を疲弊させます。「あの時こうすれば良かった」と繰り返し反芻する思考は、現在の行動エネルギーを奪ってしまいます。
■ マインドフルネス欠如がもたらす心理的悪循環
- 集中力の低下(仕事や学習のパフォーマンス低下)
- 睡眠の質の悪化(就寝前の反芻思考)
- 自己否定感の強化(「また同じ失敗をするかも」という思い込み)
この悪循環は、日々の小さなストレスが積み重なり、心身の疲労感を慢性化させます。
■ 心を今に戻すシンプルな実践法
マインドフルネスを日常に取り入れるのは、決して難しいことではありません。
- 呼吸に意識を向ける:1分間だけ深呼吸を繰り返し、「吸っている」「吐いている」と言葉にしてみる。
- 五感に注意を向ける:通勤中の景色や音、食事の味や香りを意識的に感じる。
- “ながら”を減らす:スマホを見ながら食べるのをやめ、目の前の食事を味わう。
これらの小さな習慣が、心を「今ここ」に戻す練習になります。
■ まとめ
未来の不安も、過去の後悔も、完全になくすことはできません。しかし、マインドフルネスを意識することで、心のエネルギーを浪費せず、自分のペースを取り戻すことができると思います。
「忙しい毎日だからこそ、今ここに立ち返る」──この意識が、疲れない心を育てる第一歩となると思います。
画像引用:O-DAN